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落語を一日一話嗜むバイブルとは。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。落語の話にはそれぞれ合った「季節」があるっていうのをご存知ですか。俳句だったら季語があるじゃぁないですか。落語は話の中に季節を感じる描写やセリフが出てくるというわけです。子ほめだったら新年の話だったり、大山詣りは夏の話だったり、うどん屋だったら12月の話だったり。これらの噺を聞くと、ああそうだよなあ、もうそんな季節だよなあなんて思ったりします。と偉そうなこと言って、高座でかかる話、すぐに季節がわかるのなんて、そうそうないですがね。うーん「夏泥」くらいかしらん。

そんな季節を知ることができるバイブルがあります。春風亭正太郎先生のお師匠「春風亭正朝」師匠監修の「落語一日一話」です。この本、驚くことなかれ365日全ての日に一話ずつ、落語を割り付けています。古典落語の数は演じられているのが200〜300。誰もやらなくなっているものも入れると500〜800とも言われています。新作も日々生まれているので、正確な数は誰にもわからない様です。立川流は二つめに上がるためには50席覚えないと試験を受けられとドラマ「赤とんぼ」を見て知りました。50でもすごいのに、800とかわけわかりません…。

本書では、メジャーどころの話を中心に日めくりカレンダー的に楽しめる内容になっています。落語のあらすじはもとより、サゲだったり音源の話だったり誰が元ネタを作ったかだったりと、本筋のみならず周辺情報まで入って充実の1話を提供してくれるのです。日々のうんちくとしてだけでなく、寄席のお供にも重宝します。あれー、さっきのネタなんだろうー?なんて時、パラパラパラと字引き。スマホで検索ー?ノンノンダーリン!やっぱり落語会では紙ですよ紙。あの雰囲気の中でパラパラとこの本をめくるのが粋ってもんです!いや素人っぽいけど(笑)

とにもかくにも、側に置いておきたくなる1冊であることは間違いないです。


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秋の香りの中で、春の風を感じるのが乙な生き方さ。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。春風亭一之輔師匠のおもしろ落語入門に続き、「おかわり!」も拝読いたしました。表紙は一之輔師匠のおかわり!シーンがどアップですよ。もうね、あたたかいご飯をついで差し上げたい気持ちでいっぱいですよ。師匠は迷惑だと思いますが…。山口晃さんの絵がまたいいんですよね。ちょっと昔ですが、浮世絵風に六本木ヒルズとか描いた作品ご存知ですか?あれ、やばいですよ、SFチックな温故知新。トータルリコールの世界ですね。あんな変態的な(いい意味ですよ!)アーティストと一之輔師匠の本、最高です。

前作は、転失気、鈴ヶ森、初天神、堀之内、あくび指南、長屋の花見に井戸の茶碗。もうね、このラインナップの師匠の音源聴いてヤバイですね。最高です。井戸の茶碗以外は聴いてますね。どれぐらい好きかというと、鈴ヶ森を第2期正太郎クラスで習っって、今期は「堀之内」に取り組んでいますよ。ミョーミョー!今作は、つる、桃太郎、かぼちゃ屋、粗忽の釘、化物使い、代脈、ラストに大根田芝浜ときてます。桃太郎と、化け物使いを聴いたこと無いですかね。桃太郎は子供にもわかりやすいネタだそうなので、ぜひ挑戦して息子に聞かせたいと思います。

さて、これらの二つの本。一之輔師匠の語り口が楽しめる地の文はもとより、注目したいのはその後の「ひと口解説」なんです。ここで師匠の皮肉屋の一面が見られたりするので、ニヤリとします。もちろん、きちんとしたネタの背景説明があったり、演る時期の話だったり、そんなこぼれ話も満載なので素直な方にもオススメのコーナーですから悪しからず。この2つの本に、ぜひともサインをいただきたい!その願いは、この本のネタを全て覚えたら叶うような気がしています、勝手に(笑)芝浜がある限りキツイなあと思いつつ…。いつかは必ずと。カラカラ。

面白いので、ぜひ読んで見てください。もちろん落語をご存知ないから、特にオススメですよ。




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落語の世界に助けられる日常。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。5代目 柳家つばめ師匠著の「落語の世界」読まれましたか?落語界の入門書と言っていいほど、概要を知るのに最適な一冊です。先日、 NHKのテレビ番組、落語ディーパーの新シーズンが始まりました。ラジオやポッドキャスト、iTunesでもすぐに落語を聞きたいなと思ったら、楽しめる環境が容易にあります。しかし、その噺は聴くごとに理解を増したとしても、落語の世界がどのように構築され、噺家はどんな毎日を送りながらこの素晴らしい芸を届けてくれるのか、それは噺を何度聞いても見えてこない部分だと思います。

本書はそんな裏話的な落語の楽屋周りを全体的に紹介してくれます。入門から真打昇進まで、どんな世界が待ち受けているのか。そしてまた、その周辺世界で落語家がどんな思慮、思惑に暮れるのか。直接聞かないとなかなか知り得ないだろうことだらけです。いや、お給金のことなんて直接聞くこともなかなか難しいと思うので、それ以上の情報が載っていると言っても過言ではありません。もちろん、5代目は昭和3年生まれなので、いろんなことを現在の価値に換算することも必要ですが、伝統芸能の世界に流れるDNAといいますか、細胞といいますか、それらは健在なはずです。

落語は「人間の業の肯定」と、故 立川談志師匠はおっしゃいました。にわか落語好きには、未だなんのことだか、皆目検討はついていません。ただ、落語を勉強して演目を覚えるよう取り組むと、主人公の内面に自分を見る時があります。そして主人公がどんなに浅ましいこと、ふざけたこと、時に犯罪に手を染めたとしても「わかる、わかるなあ」と感じることがあります。もちろん犯罪は良くないことですよ!(笑)落語は、悲劇に落ちて行く中にも救いがあり、笑い飛ばして明日をみる。世の中大したことなんてないよ、と深刻になりすぎな現代のボルトを緩めるスパナのような役割を担っている気がしています。


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松本興業発足記念イベントでのやるべき事。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。9/22日曜日14時より、松本興業設立記念 泣き唄×泣語LIVEを開催いたします。場所は聖地セロトニン道場です。チケットはお陰様で完売御礼でございまして、お越し下さる方々誠にありがとうございます。演者一同喜んでおり、ふんどし締め直さないとと、稽古に励んでおります。

さて、今回のイベントは第四回でございますが、久しぶりに松本隆博さん、泣石家 太陽兄さん、泣石家 霊照と三人が揃うライブとなります。実に昨年の11月の楽器カフェ以来ですね。三人の不協和音(笑)が構成にどう関わってくるか今から僕らも楽しみです。三者三様のスタイルですからね、舞台を1つの演出考えるのが難しい。

僕はといえば、相変わらずの落語リスペクトにて、泣語の中にも大いに「くすぐり」を入れて笑いを作って緩和していきながら、緊張=泣きの場面を作ることに挑戦していきます。寺井Pは「泣語家には笑いはいりません!」と豪語していたのですが、感情の落差を作りたいのでまだトライさせてください。優しい寺Pでよかった(とリップサービスw)

さてさて、ボチボチ新作制作もしなければです。季節の変わり目ですが、皆様も無理せず夜長を楽しんでくださいませ。

https://peatix.com/event/create2/1313780/edit#/advanced
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伝説の怪奇漫画家を学ぶ、夏の夜。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。ホラー漫画界の巨匠「日野日出志先生」のドキュメンタリー映画を拝見しました。監督は怪談蒐集家の寺井広樹さんです。寺井さんは色々な顔があるなと、ここまでくると薄ら寒い(笑)くらい感動します。今回の企画は寺井さんが日野先生の大ファンということで実現させたとのこと。行動力と実現力がハンパない。また、この映画の他にも銚子電鉄と開発した「まずい棒」の「まずえもん」というPRキャラクターを日野先生にオリジナルで描き起こしをお願いしているのでたまげます。初代まずえもんはもっと目が血走っていたとか(笑)銚子電鉄サイドで少しマイルドに!のオーダーがあったとのことで微笑ましいです。

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日野先生の漫画は正直読んだことがありませんでした。幼少期、僕はホラーが苦手でゲゲゲの鬼太郎が精一杯。鬼太郎はドンジャラを買うぐらい好きな世界観でした、ゲゲゲハウスとかね懐かしいです。現在、日野先生の本はプレミアが付いているものが多く簡単に手に入りませんでした。寺井さんに相談したところ「コンビニコミックシリーズで出ているよ」とナイスアドバイスをいただき購入。僕が読みたかった「蔵六の奇病」「赤い花」はここにしっかり収録されていたので「赤い蛇」のみ別冊で手に入れました。表紙の装丁からして、黒と赤ベースの禍々しさが際立った商品です。うーん、開けるのが怖い…と当時の僕なら思うレベルです。

読んで一言「緻密」です。描きこみが凄まじい。一読者としての感想で恐縮ですが、とにかく線が多いのでそれがコマの重さ・質量・禍々しさを醸し出しています。めちゃくちゃ残虐な描写なのに、首とか足首とかスパスパ飛んでいるのに、どこかコミカルに見えてくるのは、先生が天才バカボンの赤塚不二夫先生を敬愛していたからです。映画の中でもおっしゃっていましたが、とてつもないホラーはどこかギャグの要素があると。振り切ったホラー表現だからこその見え方。これは、人間が無意識に自己防衛本能として処理している結果なのかもしれません。直視しないようにするというか。神様が人間に与えた素晴らしい能力ですね、脳力か。

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映画を見て、漫画を読んで、思うのは、日野日出志先生、恐るべし。自分の血を絵の具にしてキャンバスに絵を描くなんてなんで考えつくのだよぅ、と一言添えて賞賛の言葉に変えさせていただきます。真夏の涼に、オススメです。


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