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【映画感想】上を見上げる物語はチカラがある。 [映像]

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映画「えんとつ町のプペル」を観ました。絵本の映画化、チケットのクラウドファンディング、1億4千万円の西野亮廣さんの自腹チケットプレゼント、元々映画を作るために絵本が出版された、全体のストーリーの一部が映画になど色々と話題の切り口に事欠かない作品です。
絵本を読んだことは無かったのですが、西野さんの絵本は2012年のオルゴールワールドを読んでいましたので、少しその流れを感じながら映画の世界に入り込みました。
※以下ネタバレを含みます。
まず驚いたのは、街の描き込みの緻密さ。さすが鉄筋コンクリートを作ったSTUDIO4°Cの力全開です。ゴミ人間プペルの細部も素晴らしく耳や目のアシンメトリーや、各パーツの違いがとてもユニークで和洋折衷のえんとつ町の世界観を体現しています。街に漢字は多いんですけどね。
西野さんはエンタメでディズニーを倒すと公言されていることもあり、随所にこれは「遊園地」化したときのアトラクションを想定しているのだろうな!というシーンが盛り込まれていました。序盤に滑走するトロッコや中盤のえんとつ掃除や終盤のバトルのスコップのモグラ叩きなどそうじゃないかなと思います。仮装パレードもできるお話だし、特徴的なキャラクターが多いし、布石の置き方がすごいなと感心しきりでした。
これから先、この世界がリアルに現れたら行きたいです。細部まで「実在」したらどういう理由で構造なのかを設定しきっていると思います。船や火炎放射器などのメカも良かったなぁ。うーん、鳥山明先生を感じました。
泣き所は、父親と息子の交流ですね…泣ける。自分自身の物語と重ねて観る人が多いと思います。勇気を与え、生き方を問うと言いますか。
この冬オススメの話題作、僕に言われるまでもなくですが笑、絵本は後2.3日で届きます。息子と娘に読み聞かせるのが楽しみになりました。ありがとうございます!
では、また!
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【映画感想】新解釈のクリエイティブ力 [映像]

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映画「新解釈三国志」を観ました。横山光輝三国志ファンとして、しっかりとこの目に焼き付けてやろうと、半ば挑戦的な視点での観賞でしたが、いやぁ愉しみました。
※以下ネタバレを含みます。
配役の妙が際立ちましたね、やる気のない劉備役に大泉洋さん、少しズレた曹操役に小栗旬さん、振り回される美周郎、周瑜役に賀来賢人さん。そして、諸葛亮役にムロツヨシさん、たまらなかった。そして、ツボったのは山田孝之さんの役、そこかと。とぼけた感じとやり取り最高ですね。
三国志はレッドクリフなどさまざまな映画で題材とされている超有名ストーリー。よく知っているエピソードだけにそれをどう表現するかが製作陣の腕の見せ所だと思います。それを技術よりも解釈という軸で新しく仕立て直した勘所すごいなぁと思います。
すでに知られている物語、桃太郎や金太郎、浦島太郎でも新解釈できるわけですし、いまはYoutubeのおかげで一億総クリエーター時代と言っても過言ではないはない世の中。そんな時代だからこその楽しみ方や、クリエイティブの仕方を魅せていただいた作品でした。
自分の解釈で楽しい話をつくる。日本人の得意な戦法かもしれませんね。
では、また!
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【映画感想】鬼滅の刃のリーダーシップ論 [映像]

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劇場版鬼滅の刃「無限列車編」の煉獄杏寿郎のリーダシップについて考えました。
煉獄は幼き頃母より「強く生まれた者は、周りの者を守る責務を負う」と言うことを教えられています。幼くして母を亡くした煉獄にとって、この言葉は信念となりました。映画の中で「俺は、俺の責務を全うする。ここにいる者は誰も死なせない」と言う台詞がありますが、この信念=価値観に沿って今までも行動してきたことは彼が最強の戦士の一人に成長していることを見ても想像に難くありません。
*以下ネタバレを含みます。
さて、映画の中ではこの煉獄一行が、魘夢と言う列車と融合した鬼と戦うシーンがあります。この時の外部環境は「朝まではまだ大分ある夜帯」、「乗客200名が人質で守りながら戦う必要がある」、「列車という閉鎖空間且つ高速移動しながらの戦闘であり援軍は期待できない」「列車と融合しているが故に、鬼の急所である首の位置が不明」という状況です。内部環境は「部下4名のうち3名は新兵、1名は鬼であるがそれぞれに強みがある」「出逢ったばかりの即席チーム 」「自分自身は、隊の中でも最強の剣士のうちの1名」という状況です。
ここで煉獄はチームを2つに分けて、乗客を守りながら、敵を討つと言う自身の信念に沿った戦略をとります。200名の乗客を守る役割に自分を含めた3名を配し、鬼を滅するために2名を配します。乗客を守るチームは、自身が列車5両を担当し、残る3両は我妻善逸、竈門禰豆子の2名に担当させました。1両あたりの乗客の数は、200名÷8両=25名で、煉獄は5両×25名=125名を護り、我妻、竈門(禰)は1人当たり25名×3両÷2名=37.5名を護ります。比較すると煉獄は部下の3.3倍の人数を担当することになり、それだけの実力差がうかがえます。リーダーの業務キャパが広いのはビジネス以外の世界でも同様のようです。ここでの部下のアサインは、我妻はスピードが早い、竈門(禰)は鬼のため再生能力があり、それぞれ広範囲に移動が必要な戦いと、持久力がある戦いに向いていること、また、我妻は竈門(禰)に対して恋心を抱いているため、実力以上の力が発揮されることを期待して抜擢されたと推察します。 一方の敵を討つチームは嘴平伊之助、竈門炭治郎に任せました。それぞれ勘が鋭い、鼻が効くという特徴を持つため、不明である首の在りかを探して討つということに関して、適任のコンビであると言えます。
以上のように煉獄は、外部環境と内部環境を瞬時に分析をして最適な戦略を用い、チームとして乗客を一人も死なせることなく敵を討つことに成功しました。多少の乗客の犠牲を許容すれば、自身が敵を討つ役割を担う方が、容易かったかもしれません。煉獄と一緒に戦うという高揚感から部下も実力以上の力が出せた可能性もあります。しかし、自らの価値観に沿った戦略としては正しくない。時間はかかるかもしれないが、適材適所を配し、部下を信じて任せる。煉獄の達成志向型のリーダーシップの一幕でした。
さて、この後別の一戦で煉獄は残念ながら命を落とすことになるのですが、こと切れる前に竈門(炭)に向けてあることを告げます。以前、列車内で竈門(炭)がヒノカミ神楽という舞について、炎の呼吸を極めた煉獄に尋ねますが「知らん」と明るく一蹴されました。ヒノカミ神楽とは竈門(炭)の父親の火の神様への舞いで、竈門(炭)はその呼吸法から打ち出した炎の技で窮地を脱した経験があり、同じ炎を使う煉獄であれば何か知っているのではないかとの思いからの質問でした。その時は知らないと言った煉獄でしたが、最期の瞬間には「自分の生家に行けば、父親が読んでいた書物にヒントがあるかもしれない」と言うのです。煉獄の父親もかつて炎の最強剣士でした。煉獄はこの時、自分が死ぬことによって部下が感じる「自己否定」「無力感」や「逸る復讐心」を和らげるために、またも達成志向型のリーダーシップでパスゴールを敷いたのではないかと思います。竈門(丹)は自己犠牲を厭わない戦いを強いることがあり、鬼の殲滅がゴールの組織にとって隊員の死は損失です。また煉獄が死ぬことにより、組織の力も弱体化します。この外部環境と、部下の性質を考え、ハードルの高い目標(いまだ解決できていない謎)への手がかりを渡すことで、今後の成長への後押しをしたのではと推察します。そして、ゆくゆくのゴールは、自らの代わりのポジションを担う人材への成長だったのではないでしょうか。最期の時まで、リーダーシップを発揮した煉獄杏寿郎。
ビジネスの世界に置き換えた時に彼と同様の行動が自分にできるのか、まずは「心を燃やす」ことに全集中して日々を過ごそうと思いました。
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