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この地のプラモデル屋とセメダインの匂い。 [日常]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。我孫子駅から15分ほど、旧街道を天王台の方に向かうと、左手に玩具屋があります。車で通るたびに気になっていましたが、中々入る機会に恵まれませんでした。お店の前に数台駐車できるのですが、そのままハンドルを切っていれる前方駐車になるので、出庫時にバックで道路に出るのが大変!という理由と、いつも他の目的地に行く途中にあるお店なので「次、行こう!」と思って次に忘れるというしょうもない理由から行けていませんでした。それが先日、頭の中に吹いたそよ風がこのお店の事を運んで来て「おお!そうだ行ってみよう!」と、足を運んぶ事になりました。

このお店、外観はベージュでタミヤのマークが掲げられています、記憶の中では。そう、プラモの雄、静岡の星、あのタミヤです。「ガラガラ」とスライド式のガラス戸を開くと、中から漂うのは、あの懐かしのセメダインっぽい香り。この匂いを嗅ぐだけで、十数年は若返ること間違いなしです。まさに浦島太郎の玉手箱、ドラえもんのタイムふろしき。奥まった左の方から「いらっしゃい」の声がしました。見ると、声の主は50代後半〜60代くらいのオジさん、これまた期待を裏切らないキャストです。いいね、プラモ好きのオジさんがやっているオモチャ屋。僕らの時代はこれだったよなと、郷愁に浸りながら奥に進みました。

日曜日の昼下がり。お客は僕だけ。いまの子供達は、街の玩具屋に足を運ばないのだろうか?いや、そもそもここに玩具屋がある事を知っているのだろうか?それともショッピングセンターのオモチャ売り場で床に寝転がり泣き叫びおねだりをしているのだろうか。いや、家でタブレットをいじりながら、お父さんに「これも買って!」と忙しく指をスライドさせているのだろうか?物思いにふけりながら壁をみると、戦艦から航空機、戦車に車、バイクといったお馴染みのタミヤのプラモデルから、マニアックな城シリーズに農家という家プラモ、そして定番のガンプラが所狭しと積まれていました。

なんだかお宝がありそうな雰囲気だなあ、と眺めていると「当時の値段です」と貼ってあったシャアザクのプラモデルが鎮座していました。懐かしい、今でこそ、可動域が増え、パーツの量も多くなったガンダムのプラモデル。35年ぐらい前の僕らの時代のガンプラと言えば、パーツが少なく腕は肩からのみ動くパターン。小学生の僕らでも容易に作れたシロモノでした。本当に文字通り「白モノ」で、僕が買った三百円のガンダム1/144はパーツが全て「真っ白」でした。それでも、ワクワクしながら組み立てたのを覚えています。父親はそういうところに疎くて、一緒になって作ってくれたりした記憶はないですね、そう言えば。

その日、僕は友達へのプレゼントに「パーフェクトガンダム」と「パーフェクトジオング」を買いました。プラモ狂四郎が作ったパーフェクトガンダムと、あんなの飾りです!のパーフェクトジオング。渡される友達もいい迷惑かもしれません。「俺、これ作るの?」なんて言われそうです。オジさんは、この2つのプラモデルを買った僕を見て、特に珍しくもなさそうにレジを打ち、ビニル袋に商品を入れて手渡してくれました。きっと、ずっと変わらずにそこに立ち続けているのだろうと思います。もし僕が「お店いつからですか?」と尋ねたら、仲良くなれそうな、そんな雰囲気がありました。だって、ビルバインとかもあるんだもの。

こんな時代だからこそ、あえてする便利の真逆にある行動に、新しい心の動きを感じることができました。


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