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最高の空と、最低の状況。 [旅「アジア」]

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一同が安堵のため息をついた。ひとまず安心だろう。次は車だ。コイツが走らなかったら、僕たちはこの荒野のど真ん中で一夜を明かすことになる。エドワルドの傷のこともあるし、それだけは避けたい。早く状況を確認しなければ。ドアを開けて暗闇に降り立つ。ふと、空を見上げると満天の星空がそこに現れた。遠くの星たちのおしゃべり。一瞬、僕は自分たちが置かれている状況を完全に忘れてその光に見入った。不謹慎かもしれないが、こんな輝きが見られた偶然に感謝すらしようとした。はっ、と他の光が目の端をかすめ我に返った。おっさんの懐中電灯。さすがはドライバー。僕たちがエドワルドを見ている間に、車の状況を把握しようとしていたのか。「ハオマ?おっさん」中国語で答えられてもわからないけど、一応。答える代わりに、タイヤの下を指差すおっさん。なるほど懐中電灯の光に照らされて、車が前のめりに溝にはまっている。後輪は宙に浮いた状態である。




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