幸運は、その人の姿勢が呼び込む。 [旅「アジア」]
スポンサードリンク
スポンサードリンク
身を乗り出してエドワルドの顔を覗き込むと、指の間から赤い水がしみ出していた。服の上にはキラキラ光るガラスの破片。危険な星屑。上を見るとバックミラーが割れていた。ここに顔をぶつけたのか。小柄なエドワルドが、バックミラーに頭突きを食らわしている姿を想像した。しかし、シートベルトをしていなかったのに、この程度のケガで済んだのは幸運だ。もう一つラッキーだったのは似合わないサングラス。飛び散ったガラスの破片が目に入るのを防いだ。「リョウスケ!ウェットティッシュ!」「大丈夫か!?」」「わかんね。でも意識はある」リョウスケからティッシュを受け取ると急いで何枚も取り出す。緊急事態だ。ケチってなどいられない。心配そうなホセの顔。大丈夫だ、安心してくれ。顔を覆うエドワルドの手をゆっくりと持ち上げると、何枚も重ねたウェットティッシュを額に押し当てた。「グラシアス。アイムオーケー」同時に、弱々しい英語が聞こえた。
スポンサードリンク
2006-05-14 23:28
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0