SSブログ

ラテンの血を分けてくれないか。 [旅「アジア」]

スポンサードリンク




車内灯をつけるとおっさんが頭を振っているのがみえた。相変わらず窓の外は真っ暗で何も見えない。墨汁でもぶちまけたみたい。フロントガラスは割れていないようだ。助手席のエドワルドはうずくまり、ピクリとも動かなかった。「アーユーオーケー?」エドワルドの肩をつかむ。両手で額を抑えて固まっているエドワルド。一瞬、残酷な結末が頭をよぎった。こういう事故のときに真っ先に被害が及ぶのは助手席だ。運転手は無意識に自分が助かるようにハンドルを切ると聞いたことがある。哀れ、助手席に座っていたエドワルドの顔は潰れ、彼はネパールへの旅から退場することに・・・。「へイ!キャンユーヒアミー?」「ウ、ウ−」エドワルドが声にならない音を出した。良かった、とりあえず生きている。とにかく急いで症状を確認しなければならない。エドワルドの肩を無理矢理抱き起こして、リクライニングを全開に倒した。後部座席のリョウスケが中央に体を寄せる。




スポンサードリンク



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。