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そういう構造なら仕方が無い、気持ちだけで許してやる。 [旅「アジア」]

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黄色より茶色がピッタリくる。中華文明の発祥地、黄河。中華民族の親川とたたえられ、九つの省を経由し山東省から海に注ぐ。絶え間ない流れは、歴史と共に歩んできた貫禄を思わせた。草が少ない川縁を歩くと、乾いた風に包まれる。黄砂が風に乗りイタズラを仕掛けるので、カメラを守るように懐に抱えた。照りつける太陽は厳しかったが、キャラメル色の川に入る勇気はなかった。少し歩くと、段差の下に鶏の群れを見つけた。鳥頭をつき合わせ、家族会議をしている。議題は夜のおかずだろうか。平和ボケしたお茶の間を引き締めようと思い、麦わら帽子を脇に抱え込みドーン!と段差を飛び降りた。超合金ロボのように地面に着地する。コケーっと、鶏は散会した。4方に逃げ回る鶏たち。いくら羽を動かしても飛ぶこのできない姿に、ふいに何かが重なった。初めからできないと決まっていることもある。目を背けたい現実の後ろでは、文明の生みの親が優しく流れていた。




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