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胸を張れることに、一生懸命になる。 [旅「アジア」]

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中国で赤は縁起がいい色だ。そんな赤門が堂々とした少林寺。ここまでの道中、いくつの武術専門学校を通り過ぎただろう。車窓から見る少年たち一人一人の真剣な表情に心討たれた。一糸乱れぬ彼らの隊列は、彼らの精神を表している。みんながこの少林寺を目指しているはずだ。赤門をくぐるとかつて達磨大使が修行をしたお堂がある。麦わら帽子を脱いで中に入ると、中央に度重なる修行によってついた凹みがあった。修行という言葉はストイックで好きだ。乗り越えれば違う自分に出会える気がする。喜々として写真を撮っていると、小さな手がヌッと出てきた。見るとオレンジの道着に身を包んだ少年僧が恐い顔でカメラを指差している。写真を撮ったのだから金を払えということらしい。しかし、そんなルールは無いはずだった。払わないと説明しても、しつこくついてくる。この熱心さを修行に向けるべきだ。さっき見た専門学校の児童たちはきっと君を超えていくだろう。




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