欲への対価は高価。 [旅「ヨーロッパ」]
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そのとき、誰かが後ろで、「POLICE!」と叫んだ。同時に、シャッフル男は動いた。ゴミ箱の上の板をサッと取り除くと、風のようにその場から消えた。気付くとギャラリーも減っていた。何度か賭けに勝っていた連中が見当たらなかった。サクラ。彼らは怪しまれないように用意したシャッフル男側の勝ち役だ。初めからカモは、リョウスケとジャック。シャッフル男はめくる時にすり替えをしていた。賞賛に値するテクニックだ。まんまとしてやられたのだ。「馬鹿め。あいつらはギャングじゃ。いかさまよ」麦わら帽子の老人がつぶやいた。知っているなら早く言えと文句を言おうとしたが、肩をすくめるだけにした。欲をかいた自分たちが、どうしようもない間抜けだっただけの話だ。金は稼ぐのは大変だが、使うのは簡単だ。ケチケチするのは嫌だが、せめて恥ずかしくない使い方をしたい。少しでも増やそうと欲をかいたときにはもう、その欲に対しての代金を支払っているのだ。
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2005-10-18 23:49
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