細い血管に流れる、燃えるエキス。 [旅「ヨーロッパ」]
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イギリスのチューブは狭い。東京の地下鉄がお手本にしたという伝統的な乗り物は、背の高い黒人は体を丸めて乗り込まないといけない。通路幅が無く、普通に立っていることさえも窮屈な車内。しかし、人は各々の時間を過ごす。フリーぺーパー「メトロ」に目を通す者、ペーパーブックを読む者、麦わら帽子を見つめる者、愛を語らう者。必死に電卓を叩く者。日本のように中吊り広告は無く、車内には特に目を引くものがない。一度車両に乗ると、連結部のドアが閉まっているので日本のように車両間を移動できない。1駅2〜3分の間、乗客は一つの狭い箱の中を共有する。偶然乗り合わせた共同体。二度と同じメンバーが一堂に集まることは無いだろう。チューブがロンドンの血管なら、通る僕らは血液だ。肌の色は違うが血の色は同じ。どれがどの国の血なんてわからないし、知る必要も無い。世界を動かす為に真っ赤に燃える、同じ時代を流れる血の塊であればそれでいい。
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2005-10-01 16:37
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コメント(2)
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おもしろいじゃん
by はつうみさん (2005-10-02 15:38)
ありがとうございます。
続けることが目標です。
頑張りマッス。
by 泣石家霊照 (2005-10-03 00:22)