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ひらめきの教会に、囚われた男がいた。 [旅「ヨーロッパ」]

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建築の詩人は、建物で言葉を奏でる。僕が伝えたかった一言が、そびえ立つのを見るのは、ある意味不愉快だ。これに追いつこうとする奴はペットボトルの船で、宇宙を目指すようなもんだぜ。サグラダファミリア。バルセロナの象徴。エレベーターもあるが、あえて螺旋階段を登る。一休みして、壁と壁の間から外を見た。反対側の作りかけの壁が見えた。1926年に市電にはねられて死んだ建築家の意志は、寄付という形で尚も続いている。死んだときの彼はあまりにもみすぼらしい格好をしていたため、浮浪者と間違えられたという。ここは全てを捧げた彼のライフワークだった。この景色は偉大なる建築家の目にはどう映ったのだろう。彼は1人ではない、きっと仲間がいる。髭もじゃの立派な体躯をした奴らだ。「そろそろ弁当にしようか、ガウディ!」大男は反対側の塔にいる偉大な浮浪者にそう呼びかける。夕方の風が吹く。どうやらライフワークは自分で見つけないと駄目らしい。




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