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大きな日が暮れると、完全にブラックボックスの中にいた。 [旅「アフリカ」]

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太陽は美しく暮れる。名残惜しそうに顔を赤らめながら。その時間はとても早い。まるで闇に追い立てられているようだ。サハラ砂漠の夜も駆け足でやってきた。アシムがくれたマットと毛布をどこに敷こうか迷っていると、3人しかいないのに大部屋に泊まった温泉旅行を思い出した。しかし、砂漠はそれと比べ物にならないほど広かった。

夜になったらデザートフォックスがくるから気をつけろ。アシムはそう言うと、意地悪く笑った。よく日に焼けたちょびひげのドライバー兼コックだった。これで22歳とは、人は見かけで判断できない。守るべき家族がいる彼の人生は、学生の私とは全く違うものだ。

結局、岩から少し離れた場所にマットを敷いた。辺りは既に、肉眼では1メートル先の顔も識別できないほどに暗かった。シンとエイタとアタマを寄せ合って寝た。夜中、遠くから声がして目が覚めた。「どこ?どこ?」か細い声が聞こえる。シンだった。さてはトイレに行って帰り道がわからなくなったな。砂漠は方向感覚を狂わせる。昼間でさえ360度が見覚えがある景色だ。夜は完全なる闇の世界が支配している。空の線路を歩いている気分。「こっちだ」と声を出してやると、「あ!」安堵の声がすぐそばで聞こえた。残念ながら不安そうなシンの顔は見えなかった。

砂漠では日が暮れたら、おしまい。日が昇ったら、はじまる。右端から2番目のDNAがビビビと反応した。先祖が、ライフスタイルを懐かしんでいるのだ。きっと質問はこうだ。お前は、手に入れた光をどのように使っているか。勘弁してくれ、俺に聞くなって言ってやろう。




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