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人形が殺されるという表現自体が、謎だ。 [日常]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。高木彬光著の「人形はなぜ殺される」を読みました。落語の先生のオススメしていた古典作品で、1955年上梓された戦後の本格推理小説です。何回かに渡り見立て殺人が行われるのですが、ページが進むにつれてその理由が明らかになり、グイグイと惹きつけられていきます。お馴染みのアリバイトリックあり、終盤には「読者への挑戦状」ありで、読者を楽しませようという著者の気持ちがより伝わってきます。この「読者への挑戦」、ある作品に出会う度にチャレンジするのですが、まあ当たらない。シーンを想像しながら謎を解く、これ、名探偵以上の力ですよねぇ。

黒ミサや奇術倶楽部とちょっと現実感から離れた舞台設定ではあるのですが、時代設定と相待ってこのストーリーに一種の気味の悪さを加えるいいスパイスになっています。奇妙な口癖の傴僂の詩人の役割もいいですね。ダークホビット的な感じで。定番の呪いの歌も登場します。推理小説の古典というと、エドガー・アラン・ポーの「黒猫」やアガサクリスティの「そして誰もいなくなった」、ヴァン・ダインの「僧正殺人事件」など海外物を思い浮かべていましたが、日本小説の骨太さに、足元をもっと良く知らないといけないなと、褌を締め直した一冊となりました。あ、ブリーフ派ですけど。




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