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目に見えない宝ほど、すぐ側にある。 [旅「ヨーロッパ」]

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無人駅のようだった。4本の線路には列車が全く見えない。居眠り中の駅員の帽子と、古くなった麦わら帽子を交換してやろうかと思った。掲示板のファンキーなイタズラ書きだけがイマな駅。1348年に宝物庫として建てられたカルルシュテイン城はプラハから30kmと近い距離にあった。別の時代を感じるには、建築物が一番だ。包まれる匂いは、現実を忘れさせる。旅人にはその感覚こそが宝だ。二人は30分ほどの道を楽しみながら城を目指した。休業中の店を見る度不安になったが、新品のガイドブックは心強かった。次第に大きくなる青い屋根。しかし、夢と興奮は門前のCLOSEという文字を見たとたんに弾けとんだ。改装中!当時は心底落胆したが、今ではこの写真が一番の思い出となっている。目的に到達した際の失望が大きいほど、それまでの過程の評価は上がる。苦労話は笑い話となり、経験は光り輝く。僕らの思い出の中で、それは確かに宝になっていた。




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