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落語の世界に助けられる日常。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。5代目 柳家つばめ師匠著の「落語の世界」読まれましたか?落語界の入門書と言っていいほど、概要を知るのに最適な一冊です。先日、 NHKのテレビ番組、落語ディーパーの新シーズンが始まりました。ラジオやポッドキャスト、iTunesでもすぐに落語を聞きたいなと思ったら、楽しめる環境が容易にあります。しかし、その噺は聴くごとに理解を増したとしても、落語の世界がどのように構築され、噺家はどんな毎日を送りながらこの素晴らしい芸を届けてくれるのか、それは噺を何度聞いても見えてこない部分だと思います。

本書はそんな裏話的な落語の楽屋周りを全体的に紹介してくれます。入門から真打昇進まで、どんな世界が待ち受けているのか。そしてまた、その周辺世界で落語家がどんな思慮、思惑に暮れるのか。直接聞かないとなかなか知り得ないだろうことだらけです。いや、お給金のことなんて直接聞くこともなかなか難しいと思うので、それ以上の情報が載っていると言っても過言ではありません。もちろん、5代目は昭和3年生まれなので、いろんなことを現在の価値に換算することも必要ですが、伝統芸能の世界に流れるDNAといいますか、細胞といいますか、それらは健在なはずです。

落語は「人間の業の肯定」と、故 立川談志師匠はおっしゃいました。にわか落語好きには、未だなんのことだか、皆目検討はついていません。ただ、落語を勉強して演目を覚えるよう取り組むと、主人公の内面に自分を見る時があります。そして主人公がどんなに浅ましいこと、ふざけたこと、時に犯罪に手を染めたとしても「わかる、わかるなあ」と感じることがあります。もちろん犯罪は良くないことですよ!(笑)落語は、悲劇に落ちて行く中にも救いがあり、笑い飛ばして明日をみる。世の中大したことなんてないよ、と深刻になりすぎな現代のボルトを緩めるスパナのような役割を担っている気がしています。


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