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小さな未来は、この手でつくれた。 [旅「アジア」]

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自分たちだけでは不安なので、さっき救出された車に手助けをお願いする。快く承諾してくれるドライバー。親切の連鎖が美しい。連結ロープをフロントバンパーに結ぶと、まるで2台のランクルががっちりと握手をしているように見えた。ファイト一発な光景。おっさんはギアを1速に入れ、僕らはそれぞれ所定の位置についた。準備は整った。おっさんがアクセルを踏み込むのを合図に、それぞれが仕事を始めた。飛び散る泥。「押せ!押せ!」夢中になって声を張り上げるが、足場がゆるくてどうにも力が入らない。ホセ、エドワルドも真っ赤な顔をしている。前方から「ウィーン、ウィーン」と、引き上げてくれているランクルの力強い音が聞こえた。時間にしたらどれくらいだったのだろう。気づいたときには車はぬかるみから抜け出して、僕らは泥だらけで立ち尽くしていた・・・。しばらくは動けなかった。おっさんに文句を言うのも忘れて、ただ意識を呼び戻そうとした。




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